映画 レンタルファミリー 感想(そこそこネタバレ)

映画 レンタルファミリー 感想(そこそこネタバレ)

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映画のレビューが続きます。
本当はアバターのも描かないといけないんだけど、まぁ 後回しにして、記憶が残っているものから先にということで。

いつもは 6ポイントで無料になり、自転車や徒歩でも移動が可能なイクスピアリ商業施設にある シネマイクスピアリで観ることが多いのですが、Pnatパス
会員なのでせっかくのauマンデーを時々満喫しています。(TOHO One で消費料金によってポイントになって改悪されたけど・・・)

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ポニーキャニオン
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今回は日比谷のトーホーシネマズを利用。観た作品は「レンタルファミリー」です。
日本映画と思ったら、日本人監督でのハリウッド映画なんですな。
でも、もともと上映期間が短いのでと早めに観にいきました。

シアターは狭いものでしたが、皆さん考えることは一緒なのか、7割席が埋まってました。
主演は、ホエールはまだ観てないのですが、ブレンダン・フレイザーさんです。

メタ的に、映画の中でも俳優であるフィリップ・ヴァンダープルーグを演じています。
俳優系で多い、昔CMや子役で当たったけど、その後鳴かず飛ばずで、悶々と俳優業をエージェントと組みながらやっているという背景です。
俳優業だけでは食べていけないので、ちょい役、頼まれごとを依頼されてこなす所から始まります。

最初部分は、少し違和感を感じる演出が続きます。(・・・と感じました)
生前葬儀に対するコミカル演出。ただ、これは後半の反転して活きてくるものかなと理解。ここでレンタルファミリー社の人と知り合いになります。
レンタルファミリーとしての仕事初めは、新郎役。
アメリカに移住するが結婚して移住するとして、家族とほぼ離縁したいという体で、偽結婚式をします。
色々ドタドタありで、最終的に、同性愛(ジェンダー的には 異性かも)で、家族には言えない理由が明かされて・・・・カメラがパーンしてレンタルファミリーの幕開けです。

レンタルファミリーで幾つかこなす間に、名門校の面接役に、片親だと不利だからという推定で頼まれる 実の父親役からメインストーリーが始まります。
美亜(ミア?ミーア)が、ハーフなのもあって、日本社会(といってももう国際社会なので、多くの方が馴染み溶け込んでいますが)の中の外人 フィリップ・ヴァンダープルーグ の孤独感を和らげる感じが出たのと、ミア役の子役が演技も上手く、親子ごっこは割とすんなり進みます。

レンタルファミリーという筋書き自体は、わりとありふれた題材で、踏まれ続けたシナリオであるので、わりとメインストーリーは予定調和で進みます。
いきなり戻ってきた父親への拒絶から信頼を勝ち得るための努力、歩み寄り、近すぎすぎた心を離すための突然の契約終了話。

フィリップ・ヴァンダープルーグは、俳優という、だれかに消費される存在で理解もしているはずなのに、ことさらこのレンタルファミリーについては、誰かの消費として使い捨てられる部分に深く傷ついていきつつその中にある刹那な充実感のバランスに戸惑う感じが、表情や仕草などからしっかり伝わり、良かったです。

メインストーリーと並行して、レンタルファミリー社の仲間との人間関係の深まりと、柄本明さん演じる これまたメタな、大物俳優として話に絡んできます。
依頼は娘から、痴呆が少しずつ進む父親に少しでも元気になってほしいという依頼で、昔または今の俳優についてのインタビューアーとして役を頼まれます。

さきほどの日本的な受験システムの歪な感じや、体の大きいフィリップには少し窮屈な感じなど、所々に今の日本社会が組み込まれていきますが、柄本さんからは、日本の信仰や八百万の神について触れることになります。
存在するすべてのものに神ん宿るとされることを説明されるのですが、ピンと来ていない感触で、神社の拝礼もしていない始末です。

痴呆が着実に進行していく中で、唐突に柄本の出生地である天草へと帰郷しようと作戦を立てる所で、契約外的な部分を感じ取ってか、依頼者の娘に対して、だまって連れ出すことへの抵抗感からか、断りを入れたところで、柄本が激昂して、話が中断します。

柄本さんの演技は安定しており、安心感がありました。

消費されるレンタルファミリーですが、そこに救いがあるのでは?という想いが、フィリップに芽生えるのは、偽父親を演じた中で生じた自らが脚色して広がる頼み人の幸せがあるなら、私の孤独感や喪失感はそれで良いと悟るところから、早朝に柄本の家に侵入して、天草大脱走を手伝います。

柄本は直接の依頼人ではないことと、痴呆が進み自我が失われつつある人を内緒で連れ出したことで誘拐事件にと発展してしまい、ここで、レンタルファミリー社内での対立と今までの関係性の積み上げとが交差して、彼らも事件に絡んでいきます。

この途中で、レンタルファミリー社の社長の家族と思われた人(妻と子供)も別レンタルだったことが明らかになるシーンが挿入されるのですが、本物と偽物の境界線が曖昧になってきたストーリーラインからすると、その偽世界線の脆さが露呈する割とシリアスシーンかなと思っていたのですが、隣のご婦人連れは、ここでクスクスと笑っていたのに違和感を感じました。(もともと小声で友達におしゃべりしていたマナーが悪い観客だったので・・・席運って映画につきものだなって思う次第)

事件に発展していく中で、フィリップと柄本さんは、天草の田舎の山奥のもう苔生えた生家である空き家に辿り着き、俳優という世界に進む時にちょうど病気で亡くなった元恋人の写真の入った缶を掘り起こします。
自分の原点と、俳優という演じる側に立った時に捨てていった感情や、実の自分を、思い出させてくれたことに、感謝を述べて、天草編は閉じます。
柄本がまだ意思表明できたのも幸いして、事件は治りますが、
その後亡くなります。多くの人と関わり合いをもったであろうお別れの場では、日本の御葬式が最初の生前葬儀のコミカルさと対比されて、厳格さのある雰囲気で進められます。

最後、フィリップは、神社の御神体に触れます。さっと吹いた風に煽られ、神体の鏡に映った自分にハッとするシーンがあります。
バレない嘘はないといいますが、最初の嘘は優しい嘘。だれかのためであったのかも・・・でも時に救われる人もいれば救われない人もいるバランスの悪い嘘ですが、その嘘をつくのはいつのまにか自分の保身であったりするものです。
人を救うため・喜ばせるためとしてきた行動が、回り回って自分も救われる。身に宿す神の福音になるというイメージが、あのシーンで強調づけられて、話が終わります。

偽父親役については、ミアとの関係を継続するという 指切りで(そのサクラのシーンが、桜のもつ儚くそれでいて美しい部分の強調となるのですが、綺麗でした)
ミアにとっては、偽物と本物が危うく共存する大人の悪く言うとズルい世界を幼い時から学習してしまう不憫な点から、話としては、little bad end のような気もしますね。

もう上映スクリーンが少ないので、公式サイトを見て、足をお運びください。